人類は地上だけでなく、地下にも驚くべき建築を築いてきました。防衛目的、宗教儀式、都市空間の拡張、そして単なる好奇心から、地下には信じられないほど壮大で美しい構造物が存在します。
今回は、世界に実在する驚異的な地下建築を5つご紹介します。
カッパドキア地下都市(トルコ)
トルコ・カッパドキア地方には、数千年前に掘られた広大な地下都市が広がっています。特に有名な「デリンクユ地下都市」は最大で20階層にも達し、2万人以上を収容できると言われています。
キリスト教徒が迫害を逃れるために築いたとされ、教会や学校、ワイナリー、換気システムまでも備えた完璧な地下要塞です。
サンクトペテルブルク地下宮殿(ロシア)
ロシアのサンクトペテルブルクには、驚くほど豪華な地下鉄駅「アヴトヴォ駅」が存在します。地下鉄駅とは思えないほど美しいシャンデリア、彫刻、大理石の装飾が施され、「地下の宮殿」とも呼ばれています。
第二次世界大戦後に建設され、市民に文化的誇りを与える場として機能しています。
カタコンブ・ド・パリ
フランス・パリには、18世紀末から19世紀初頭にかけて作られた地下のカタコンブがあります。これらは、パリ市内の墓地が過密状態になったため、遺骨を移すために作られた地下の墓所で、約600万体の人骨が収められています。
現在では観光名所として一般公開されており、その神秘的で独特な雰囲気が訪れる人々を魅了しています。
モントリオール地下街(カナダ)
カナダのモントリオールには「レジオ地下都市」と呼ばれる広大な地下ネットワークがあります。
ショッピングモール、ホテル、オフィス、住宅、地下鉄駅などが一体化した空間で、寒さが厳しい冬でも地上に出ずに生活できる設計となっています。その利便性から「地下の楽園」とも呼ばれています。
コーペンハーゲン地下貯水池(デンマーク)
デンマーク・コーペンハーゲンには、19世紀に建設された地下貯水池「システルン」が存在します。かつては都市の飲料水供給を担っていましたが、現在は美術館として再利用されています。
その広大な空間は静寂に包まれ、アート展示やイベントが行われる神秘的な場所として注目を集めています。
まとめ
地下建築は、単なる空間の拡張ではなく、人々の歴史、文化、技術、そして生きる知恵が詰まった芸術作品でもあります。それぞれの地下建築には、地上にはない魅力や物語が隠されているのです。
次に旅行する際は、地上だけでなく地下にも目を向けてみてはいかがでしょうか?きっと新たな発見が待っています。