今回はAdobe After Effectsを使って紙が破れてめくれるようなアニメーションの作り方をご紹介していきます。完成イメージは以下の通りです。
マスクで破れた紙を表現する
まずは新規コンポジションを作成し、破きたい素材をインポートします。そして、その上に白色平面レイヤーを追加します。
平面レイヤーは画面上部のレイヤータブまたはCtrl + Yで追加できます。
続いて、平面レイヤーを選択した状態で、画面上部のペンツールボタンをクリックします。
そして、ペンツールを使用して、下の画像のようなギザギザとしたマスクを作成します。
マスクが出来たら、平面レイヤーに『ラフエッジ』というエフェクトを適用して各項目値を以下のように設定します。
エッジの種類:ラフ
縁:15.00
エッジのシャープネス:5.00
スケール:200.0
複雑度:10
ラフエッジの設定が終わったら、平面レイヤーのスケールを105%~110%ほどに変更していきます。
スケールを調整し終えたら、紙のように破きたい素材レイヤーのトラックマットを平面レイヤーに設定します。
破れる紙の細部を作成
続いて、作成したコンポジションをCtrl + Dで2つ複製しましょう。1つは破れてめくれる部分の裏側、そしてもう1つは破れて画面上に残る(画面下側の)部分となります。
複製したコンポジションは分かりやすいようにリネームしておくとよいでしょう。
コンポジションを2つ複製出来たら、まずはめくれるページの裏側となるコンポジションから操作していきます。
コンポジションを開き、白色平面レイヤーを複製します。そして、複製したものを一番下のレイヤーに配置し、非表示状態から表示状態に変更しておきます。
続いて、一番下の平面レイヤーのマスク->マスク1からマスクパスという項目のシェイプをクリックしましょう。
シェイプをクリックすると、マスクシェイプというウィンドが表示されています。その中の下という項目内のピクセルの値を、現在の値から10ほど加算しましょう。
マスクシェイプのピクセル数を変更して、以下のように白い波上の線が表示されていればOKです。
ここまで出来たら、このコンポジションでの操作は終了です。
では続いて、複製したもう一つのコンポジションを操作していきます。
まずは、平面レイヤーのマスク->マスク1にある反転というチェックボックスにチェックを入れましょう。こうすることでマスクが反転されます。
続いて先ほどと同様に、平面レイヤーを複製し、複製したものを一番下に移動させて表示状態にしておきましょう。
続いて、複製平面レイヤーのマスク->マスク1からマスクパスのシェイプをクリックしてマスクシェイプウィンドを開きます。
ここでも先ほどと同様、下という項目のピクセル数を操作しますが、今回は元の値から10減算します。
先ほどと同様に白い波模様があらわれていたらOKです。
紙が破れるアニメーションを設定
複製した2つのコンポジションの操作が終わったら、今度は新たにコンポジションを作成します。このコンポジションはアニメーションのメインとなるものです。
新規コンポジションを作成したら、上から、1番最初に作成したコンポジション、破れてめくれる部分の裏側となるコンポジション、そして破れて画面上に残る(画面下側の)コンポジションの順で格納していきます。このとき、真ん中のレイヤーは非表示にしておきます。
続いて、1番上のレイヤーに『CC Page Turn』というエフェクトを適用します。そして、以下のように値を設定します。
Controls:Bottom Left Corner
Render:Front & Back Page
Back Page:2(上から2番目のレイヤー)/ ソース
Back Opacity:100.0
続いて、CC Page Turn内のFold Posictionという項目を操作していきます。
この項目の座標を変更すると、ページのようにめくれていきます。アニメーションの終了フレームで完全にめくれ切れるようにキーフレームを設定しましょう。
Fold Posictionを設定し終えたら、同じコンポジションの一番下に、紙が破れてめくれた後に表示させたい画像素材などをインポートします。
ここまで出来たら、ほぼほぼ完成です!後は微調整をしていきます。
最後に少しだけ微調整
ではここからは微調整です。
まずは、最初に作成したコンポジションを開きます。そして、一番上の平面レイヤーのマスク->マスク1にあるマスクの拡張という項目の値を10~20pixelに設定します。
マスクの調整を終えたら、今度は先ほどのアニメーションのメインとなるコンポジションに戻り、1番上のCC Page Turnを適用したレイヤーに『ドロップシャドウ』というエフェクトを適用します。
そして、ドロップシャドウを以下のように設定しましょう。
不透明度:60%
方向:-45°
距離:30.0
柔らかさ:20.0
そして、そして破れて画面上に残る上から3番目のレイヤーにも同じくドロップシャドウを適用します。設定値は以下の通りです。
不透明度:60%
方向:-45°
距離:10.0
柔らかさ:30.0
これで全行程が終了です。お疲れ様でした!
まとめ
今回はAdobe After Effectsを使って紙が破れてめくれるようなアニメーションの作り方をご紹介していきました。
マスクの形やCC Page Turnの設定を変更することで様々なタイプの破れ方を表現できるためぜひ試してみてください。