近代の天文学では88の星座が使われており、その中にはいて座やおとめ座といった12星座やオリオン座などのよく耳にするような星座も含まれています。
しかし、この88種の中には「こんなの聞いたことない…」「もっと他に名前あっただろ、」というような星座もいくつか存在します。
今回は、そんな知名度低めなめずらしい名前の星座を10個ご紹介いたします。夜空を見上げるのが好きな方、人気な星座に飽きてしまったという方はぜひ最後までお付き合いください。
カメレオン座
カメレオン座は16世紀末にオランダの航海士のケイセルとデ・ハウトマンが考案したとされる星座で、獲物を狙うカメレオンの姿がモチーフとなっています。
ただ、カメレオンはアフリカ大陸やインドなどに生息する爬虫類であり、なぜオランダの航海士が星座の名前にカメレオンが選ばれたのかは謎です。
カメレオン座は南半球の星座であるため、残念ながら日本では見ることはできませんが、オーストラリアやニュージーランドなどでは年間通して見ることができます。
ぼうえんきょう座
ぼうえんきょう座は18世紀にフランスの天文学者ラカーユによって考案された南天の星座です。
星を観測するための道具である望遠鏡が星座として夜空から私たちを見ているというのは何とも乙ではないでしょうか。
日本国内では沖縄の宮古島や石垣島などで観測することができます。沖縄旅行に行った際には、夜空の望遠鏡を眺めることをお忘れなく。
かじき座
かじき座は、16世紀末に考案された、鋭い吻を持つ魚のカジキがモチーフとなった星座です。南天の星座の中では知名度の高い方で、南半球に住んでいる方にとっては馴染み深いかもしれません。
ただ、このかじき座ですが、実はもともとのモチーフはカジキではなくシイラであったとされています。
シイラとカジキではそのフォルムが似ても似つかないため、一体どのような経緯でシイラがカジキになったのか。その詳細は未だに解明されていません。
きょしちょう座
きょしちょう座は巨大なくちばしをもつ中南米の鳥でありオオハシ(巨嘴鳥)がモチーフとなっている星座です。
きょしちょう座は3等星以下の星から構成されているため、色鮮やかで華やかなオオハシと対照的に、暗めの星座となっています。
ちなみに、中国ではこの星座はオオハシではなく、カッコウやホトトギスの星座とされています。
りゅうこつ座
りゅうこつ座は船の竜骨がモチーフとなった、18世紀半ばに考案された比較的新しい星座です。
りゅうこつ座を構成する星の1つであるカノープスは全天で二番目に明るい恒星であるため、肉眼ではっきりと観測しやすい星座です。
実はこの星座はもともとアルゴ座(アルゴ船座)という、船がモチーフの巨大な星座の一部でした。そしてその後、アルゴ座がりゅうこつ座・とも座・ほ座の三つに分割されたのです。
なぜアルゴ座が分割されたのかというと、その理由は至極単純で、デカすぎるからです。
テーブルさん座
テーブルさん座は、南アフリカ共和国にあるテーブルマウンテンがモチーフとなっている星座です。
天の南極近くに位置する星座であるため、日本からは見ることはできません。
日本では星座の名前にはひらがな、またはカタカナを使用していますが、ひらがなとカタカナが混在しているのは全88種の星座のうち、このテーブルさん座ただ一つです。素直にテーブルマウンテン座じゃダメだったのでしょうか。
ぎょしゃ座
ぎょしゃ座は馬車を操る王様がモチーフとされた北天に浮かぶ星座です。
ぎょしゃ座は、冬のダイヤモンドの一角を担う1等星のカペラなどから成る星座であるため、比較的明るく見つけやすい星座です。
日本では、冬に観測できる星座で、特に2月中旬ごろが見ごろとされていますので、ぜひ2月には夜空を見上げてみてください。
みなみのうお座
みなみのうお座は、日本では6月から11月中旬ごろに観測できる星座で、南の空に位置する魚のような形をした星座であることからその名が付けられました。
魚がモチーフの星座として1番有名なのはうお座でしょう。その他の魚がモチーフの星座には、かじき座やとびうお座など、魚の種類の名前が付けられています。
それなのに、なぜこの星座は「みなみのうお」座なのでしょう。他の星座と同様に魚の種類の名前を付けてあげればいいのに。
もし皆さんだったら、この星座にどんな名前を付けてあげますか?
はえ座
はえ座は昆虫のハエがモチーフとなった天の南極の近くに位置する星座です。
もともとはミツバチの星座とされていましたが、隣合う星座がこの星座をエサとして狙っているように見えることから、ハエの星座となりました。
その隣り合う星座というのが、最初に紹介したカメレオン座です。
これらの星座が考案されて数百年経った現在ですが、未だこのハエはカメレオンに食べられてはいません。果たしてこの先もハエはカメレオンから逃げ続けることができるのか、はたまた、カメレオンがハエを食す日が来るのか。彼らの闘いは今後も目が離せません。
ちょうこくしつ座
ちょうこくしつ座は、18世紀半ばに考案された南天に位置する星座です。
彫刻家のアトリエがモチーフとされていますが、現代の人間で彫刻家のアトリエと聞いてその形をイメージできる人が果たしてどれくらいいるのでしょうか。
しかし、この星座はちょうこくしつ座です。誰が何と言おうとちょうこくしつ座なのです。
まとめ
今回は少しマイナーな星座を10個ご紹介いたしました。
日々忙しい生活を送っていると、夜空を見上げる機会も少なくなってしまうかと思いますが、ぜひ一度夜空を見上げ、巨大で壮大なアートを堪能してみてください。