AWSという言葉を耳にしたことがあるでしょうか。何となくAWSについて知っている方は「サーバー構築ができる?」「たくさんデータを保管できるサービス?」などというイメージを持つでしょう。
確かに、サーバー構築やストレージサービスはAWSの代表的なサービスですが、AWSには他にも様々なサービスがあるのです。
本記事ではAWSの基本情報や活用事例などをご紹介していきます。
AWSとは
AWSは「Amazon Web Services」の略称で、Amazonが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称です。
AWSを利用することで、インターネットを介してコンピューターによる優れたサービスを使用することができるため、Webサーバーの運用やアプリケーションの開発などが簡単に行えるという大きなメリットがあります。
また、AWSは従課金性(使った分だけお金を払う)ので、コストを最小限に抑えることができるということも大きな魅力の一つです。
少し難しい話になってしまいましたが、AWSを簡単に言うと「Amazonさんが便利な機能を安く貸してくれる」という感じです。
AWSで利用したいおすすめサービス10選
AWSでは利便性の高い様々なサービスが提供されています。特に以下の10このサービスは、利用者が多く人気のサービスです。
・Amazon S3
・Amazon EC2
・Amazon RDS
・AWS Lambda
・Amazon DynamoDB
・Amazon SNS
・Amazon SQS
・Amazon CloudFront
・AWS IAM
・Amazon VPC
ではこれらのサービスについて詳しく解説していきます。
1.Amazon S3
Amazon S3(Simple Storage Service)はオブジェクトストレージサービスであり、テキスト・動画・音声などの様々なデータを保存できるサービスです。
通常このようなサービスには保存容量の制限が設けられていますが、Amazon S3は容量が無制限であるため(1ファイルは5TBまで)、データを管理しやすいという特徴があります。
また、1GBあたり0.12USDという費用の安さも大きな魅力の一つです。
保存したデータはパブリックに公開することも可能なため、静的コンテンツなどの公開をしたい場合にも使用することができます。
2.Amazon EC2
Amazon EC2(Elastic Compute Cloud)は、クラウド上で仮想サーバーを実行できるサービスです。
1番の特徴はサーバーのOS・コア数・スレッド数などをカスタマイズできるという点です。そのため、アプリケーションの実行環境構築に非常に役立ちます。
また、WebアプリケーションやWebサイトのホスティングなどにも使用できるため、活用方法の幅が広いサービスです。
Amazon EC2の使用量は、使用するインスタンスのタイプや稼働時間などによって算出されるため、必要最低限の費用で使用することができますが、非使用時の稼働停止を忘れてしまうと料金が高額になってしまう場合があるため注意が必要です。
3.Amazon RDS
Amazon RDS(Relational Database Service)は、非常に利便性の高いマネージドリレーショナルデータベースサービスです。
「Oracle」「MySQL」「Amazon Aurora」など6つのエンジンから好きなものを選択することができるという利点の他、バックアップなどの管理作業を自動的に行う機能も備えているため、可用性に優れています。
また、障害発生時には自動でフェイルオーバーが行われるため、耐久性も高いと言えるでしょう。
構築や簡単でメンテナンスも不要という夢のようなデータベースサービスです。
4.AWS Lambda
AWS Lambdaはプログラムの作成や実行に適したサービスです。
通常、プログラムを動かすためには、その言語に応じた実行環境を構築する必要がありますが、AWS Lambdaはそのような面倒くさい構築作業をせずにプログラムを制作・実行することが可能です。
使用できる言語は「Java」「Python」「Go」など7種類ですが、拡張機能を利用することで計13種類の言語を使用することが可能です。
複数の言語を使用するプログラマーにぜひ利用してもらいたいサービスです。
5.Amazon DynamoDB
Amazon DynamoDBは、可用性の高いNoSQLデータベースサービスです。
管理サーバー不要なサーバーレスサービスであり、自動的にテーブルにスケーリングして最適なパフォーマンスを提供することを可能にしています。
また、保存されたデータは暗号化されるため、安全性も高いサービスです。
SQLデータベースのAmazon RDSとNoSQLデータベースのAmazon DynamoDBを用途に応じて使い分けることで、データ管理の効率がより向上することでしょう。
6.Amazon SNS
Amazon SNS(Simple Notification Service)は、サーバーレスのメッセージングサービスです。
メッセージ通知やモバイルへのプッシュ通知をユーザーのアクションをトリガーとしてサーバーレスで行うことができるため、大幅なコスト削減が可能です。
企業が運用するような大規模なアプリケーションに活用されることが多いですが、もちろん個人でも使用可能です。
7.Amazon SQS
Amazon SQS(Simple Queue Service)は、マネージド型のメッセージキューサービスです。
大量のメッセージをデータベースに直接転送してしまうとデータベースに負荷がかかり処理が遅くなる場合があります。しかし、Amazon SQSを介して送信することで、データベースに負荷がかからない一定の間隔でメッセージを送信することが可能となります。
大量のメッセージ送信を前提としたサービスですので個人で使用することで受ける恩恵はさほど大きくはありませんが、それでも有用なサービスであることに変わりはありません。
8.Amazon CloudFront
Amazon CloudFrontはコンテンツの配信を高速化するサービスです。
配信にかかる負荷を分散させることで、動画やアプリケーションと言ったような静的・動的なコンテンツを高速に配信することを可能にしています。
また、高い安全性も特徴で、現在多くの企業がAmazon CloudFrontを導入しています。
9.AWS IAM
AWS IAM(Identity and Access Management)はAWSのサービス・リソースの管理の安全性を高めるためのサービスです。
AWS IAMを利用することで、サービス・リソースのアクセスや操作の権限を細かく設定することが可能です。また、管理権限はグループごとにも分けることができるため、複数人での管理にも対応しています。
大規模なアプリ開発などの複数人体制での操作が必要な場合に重宝されるサービスです。
10.Amazon VPC
Amazon VPC(Virtual Private Cloud)は、AWS上に仮想ネットワークを構築できるサービスです。
ネットワークには任意のIPアドレスを振り分けることが可能なため、プライベート・パブリックの分離が可能です。
また、外部サーバーと接続することでWebサーバーとして機能させるということもできます。
Amazon VPCはAWSの基盤となるようなサービスなため、活用の場は多いかと思います。
AWSはどんなことに使われている?
前章で紹介したもの以外にも、AWSでは多くの有用なサービスが提供されています。では、これらのサービスは具体的にどのように活用されているのか、具体的な活用事例をご紹介していきたいと思います。
事例1)NetflixとAmazon EC2
NetFlixは世界で2億2,000万人以上が利用するオンデマンド動画ストリーミングサービスです。
Amazon EC2の高パフォーマンスな通信を活用することで、NetFlixでは高速かつ高画質で動画を配信することを可能としています。
これによりユーザーは、ストレスなく動画視聴を楽しむことができます。
事例2)ドコモ・システムズとAmazon RDS
ドコモ・システムズはNTTドコモグループの子会社で、NTTドコモの基幹システム開発や管理・運用を行う企業です。
ドコモ・システムズでは顧客データをAmazon RDSを用いて管理しています。これにより顧客データの効率的なデータ処理を可能にしています。
また、優れた安全性をもつAmazon RDSを活用することで、顧客情報を安全に管理しているのです。
事例3)リクルートホールディングスとAmazon SNS
リクルートホールディングスは、人材紹介や求人広告業などを営む総合人材サービス企業です。
リクルートホールディングスでは、Amazon SNSを利用して求職者に対して求人情報の通知サービスを提供しています。
Amazon SNSを活用することにより、求職者と企業のコミュニケーションを効率化やコストの削減を実現しています。
AWSを活用することで無駄がなくなる
クラウドコンピューティングサービスのAWSを活用することで、自身のニーズやプロジェクトに合わせた柔軟なソリューション構築が可能となります。
大量のデータを扱う企業で活用されることが多いですが、「Amazon S3」「Amazon EC2」「AWS Lambda」などのサービスは個人使用でも十分恩恵を受けることができるでしょう。
また、データ分析や機械学習といったAI開発などでの需要の高い機能なども登場しているため、今後ますます有用なサービスとなっていくことでしょう。