【2030年に実装予定?】5Gに次ぐ通信規格「6G」とは?

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2020年より、4G LTEや4Gよりも高速な5Gがスタートし、よりストレスフリーな通信を行うことが可能になりました。そして、2030年にはその5Gをも凌ぐ「6G」という新たな規格が実装される予定です。

ではこの6Gという新たな規格が実装されると、私たちの生活にどのような価値がもたらされるのか。今回は6Gの特徴や想定される活用方法などをご紹介していきます。

5Gの限界

現在の最も新しい通信規格である5Gは、4G LTEよりも高速なデータ通信が可能です。そのため、「5Gのままで十分」「なんで5Gが出たばかりなのに6Gの開発を始めるの?」と考える方も少なくないでしょう。

しかし残念なことに、5Gには以下のような課題があるのです。

1.周波数に限りがある
2.通信領域が限られている
3.エネルギー消費量が高い

では、これらの課題を詳しく解説していきます。

1.周波数に限りがある

5Gの高速通信は高い帯域幅、つまり最も高い周波数と最も低い周波数の差が大きいという特性により実現しています。

しかしながら、5Gの帯域幅には制限があるため、どうしてもデータの送受信に軽微なラグが生じてしまうのです。

個人間での通信については5Gの速度に対しての不満は少ないかと思いますが、組織間の大規模なデータ転送となると、この通信速度の問題が大きく影響してしまうのです。

2.通信領域が限られている

宇宙の開拓に期待されている昨今ですが、残念ながらそのような場所は5Gの通信領域外となっています。

より高速かつ大規模な通信を実現するためには、通信領域が限られているというのは大きな課題なのです。

3.エネルギー消費量が高い

5Gは高速な通信を可能にしている一方で、エネルギー効率の悪さが問題視されています。

特に非常に多くのアンテナを必要とするため、電力の消費が激しいです。

このエネルギー効率を改善するということも今後の課題となっていくでしょう。

5Gには通信速度やエネルギー効率などの様々な課題があります。

これらの課題を解決するためには新規格の開発が必要不可欠なのです。

6G導入で何が変わる?

1.より高品質な通信を実現できる

6G通信では5Gよりも幅広い周波数帯域を活用することが期待されます。

帯域幅が広がることで、5Gよりもさらに高速な通信が可能となります。

また、高速な信号処理技術を導入することで、障害物により信号が減衰することなく高品質な通信ができるようになることに期待されています。

2.超低遅延通信が可能になる

6Gでは通信の遅延時間をさらに短くした超低遅延通信が可能になると言われています。

この超低遅延通信により、遠隔手術や遠隔運転などの精密な操作が求められることが可能になると期待されています。

3.多数のデバイスを同時に接続することができる

6Gでは、より多数のデバイスを同時に接続することに期待されています。

IoT化が進んだ現在では、スマホやPCだけでなく様々なモノがネットワークを利用するため、高密度接続が可能になることで、より効率的にネットワークを管理することができます。

4.エネルギー効率の向上

脱炭素化が進む中で、5Gのエネルギー効率は大きな課題となっていますが、6Gではより効率的な通信方式や省エネルギーのデバイス設計が採用されることで、エネルギー効率の向上を実現できると言われています。

エネルギー効率の向上により消費電力量を削減し、より環境にやさしい通信ができるのです。

5.通信領域が広がる

現在の通信では、海・空・宇宙など陸から離れた場所はカバーされていませんでしたが、6G導入によりそのような場所でも高速な通信が可能になると言われています。

6G通信でVRがよりリアルに?

VR仮想現実とも呼ばれ、仮想的な空間の中で現実的体験できるという技術です。

現在VRというと、360度の全方位カメラで撮影された過去の写真コンピュータグラフィクスで作られた世界を体験するというケースが多いでしょう。

しかし、6Gの高速・低遅延通信を用いることで、遠方で行われているアーティストのライブや現在の国際宇宙ステーションから見た宇宙の様子などをリアルタイムでVRとして体験することが可能になるかもしれません。

また、従来は1人で体験することが多かったVRですが、6Gにより高密度接続が可能になることで、より大勢のユーザーと仮想空間内で交流を図ることが可能になります。

6Gの導入によりVRはより没入感のある体験ができるようになることでしょう。

6Gには夢も課題もたくさん

6Gが導入されることでデータ社会化が進み、人々の生活はより快適になるということが予想されます。

しかし、6Gはまだ研究段階であり、新たな通信技術や機能の開発などの解決すべき課題がたくさんあります。

導入までの道のりはまだまだ長いですが、少しずつ技術は進歩していきます。新たな通信規格をより効果的に活用するためにも、この小さな進歩の積み重ねを注意深く見守ることが大切です。