【バーチャル世界で生きれる?】メタバースのあれこれを解説します!

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新型コロナウイルスの影響などで外出機会が極端に減り、オンラインコミュケーションツールの需要がますます増加している昨今ですが、近年特に注目を集めているものがあります。それが「メタバース」です。

メタバースを利用することで、仮想空間の中で会話やショッピングなど、現実世界同様の活動をすることが可能です。今日はそんなメタバースのあれこれについて解説していきたいと思います。

メタバースの基本情報

メタバースとは「meta:超越」と「universe:世界・宇宙」を組み合わせた言葉です。仮想空間内の世界で自由に行動できるような仕組みのことを指し、ユーザーは「アバター」と呼ばれる仮想空間内の自身の分身を使って、買い物をしたり友人とコミュニケーションをとったりなどをして楽しむことができます。

メタバースは「あつまれ どうぶつの森」や「マインクラフト」などのゲーム業界で利用されることが多いですが、近年ではファッション業界や金融業界など様々な業界の企業が参入しています。今後メタバースに参入する企業はますます増えていくでしょう。

VRとは何が違うの?

VR(バーチャルリアリティ)は、日本語では「仮想現実」などと訳される、仮想的に作られた空間をさも現実かのように感じさせるような技術です。

VRはメタバースと混同されることがありますが、両者には以下のような違いがあります。

メタバースVR
リアリティリアルな体験は不要リアリティが追及される
機材外部接続装置は不要VRデバイスが必要
コミュニケーション複数人と交流する基本的に一人で体験
メタバースとVRの違い

VRに求められるのは「リアルな視覚体験」です。そのため、VRにはゴーグルなどの外部装置が必要となったり、基本的に一人で体験するなどの制約があるというケースが多いです。

一方メタバースには、視覚的なリアルさはさほど重要ではありません。重視されるのは、アバターに好きな服を着せる、世界中の人と交流するなど、自由な行動をとれるという点です。

メタバースがオンラインコミュニケーションツールとして注目されているのは、この「自由」という部分に大きな強みを持っているからと言えるでしょう。

メタバースの活用事例

【ファッション業界】ラルフ・ローレンの活用事例

ファッションブランドの「ラルフローレン」は、メタバースアプリZEPETOと連携して、アプリ内のアバターに着せることができるファッションアイテムの販売を行いました。

メタバースを活用することで、ブラランドアイテムを安価に購入することが出来たり、実際に現実でも販売している商品を気軽に試すことができるなどのメリットがあります。

【小売業界】三越伊勢丹の活用事例

三越伊勢丹では、メタバース上に伊勢丹新宿本店を模した「バーチャル伊勢丹」を作りました。バーチャル伊勢丹では、現実と同じように商品が陳列されていて、ユーザーが気になる商品をチェックすると、ECサイトと遷移して実際の商品を購入することができます。

実際の買い物をしているような感覚とネットショッピングの手軽さを併せ持っているため、自分のペースでショッピングを楽しめるということが大きな魅力です。また、商品をバーチャル化することで不要在庫を抱えづらいというのもメリットの1つでしょう。

【観光業界】大阪府の活用事例

大阪府は2025年に開催されるの大阪万博のマーケティングの一環として、バーチャルプラットフォーム「cluster」にて「バーチャル大阪」を展開しています。ユーザーはバーチャル空間上で大阪城や道頓堀などの大阪の観光名所を訪れたり、アーティストのライブを楽しむことができます。

大阪の街をバーチャル化することで、日本国外にも大阪の魅力を発信し、今後の集客につなげる狙いがあります。また、近年注目されているメタバースを活用するといった話題性というのも、バーチャル大阪を展開する理由の1つでしょう。

メタバース導入の課題

近年では、世界中の企業がメタバースに目を付け導入を検討しています。したし、メタバースを導入するにあたっては、次のような課題があります。

個人情報の漏洩リスク

オンライン上で展開されるメタバースでは、セキュリティ対策は欠かせないものとなります。また、メタバースではアバター同士が自由に交流できるケースが多いため、なりすましなどのリスクは従来のオンラインサービスよりも高いと考えられます。そのため、質の高いセキュリティ性を持たない企業の参入は難しいでしょう。

未知の法律問題への対策

メタバース上では現実世界と同じように自由な行動を行うことができますが、仮想空間内での行動に現実世界での法律が適用されるかと判断することが極めて難しいです。また、メタバースでは仮想通貨を利用する場合が多いですが、仮想通貨に対する法整備は不十分な点が多いため、企業は仮想通貨をどのように扱うのかという点も重要になるでしょう。

構築や維持にかかるコスト

メタバース環境を構築し、それを維持するためには、多額のコストが必要となります。そのため、安易にメタバースを活用しようとすることは避けなければいけません。メタバース導入の前には、コストに見合うメリットがあるのかということを吟味することが必要でしょう。

メタバースの今後

メタバースは、ゲームなどでの個人間のやり取りをする空間として構築されていることがほとんどでした。しかし今後は、多くの業界・企業で、製品の展示や販売などBtoCでの活用が増えていくことでしょう。

ビジネスにメタバースを活用することで年齢や居住地にとらわれないビジネスモデルを展開することに期待できますが、セキュリティやコストなど多くの問題も付きまといます。その問題をどのように解決していくかがメタバースビジネスの成功のカギを握ることでしょう。ユーザー側も予期せぬトラブルに巻き込まれないよう、細心の注意を払ってメタバースを利用することが必要となります。