「オンラインゲームがしたい」「動画編集をしたい」「撮った写真を加工したい」など、パソコンを使う目的は様々ですが、いずれの場合でもPCのスペックというものは重要になります。もちろん、よりハイスペックなものを選ぶことでストレスなく作業を行うことが可能ですが、そもそもスペックとはいったい何を指すのかイマイチ分からないという方も少なくないと思います。そこで本記事ではPCのスペックについてご紹介していこうと思います。よかったらPC選びの参考にしてみてください!
PCのスペックとは?
PCのスペックとは、処理の速さや容量、解像度などの、PCの機能性の高さを表す言葉です。ほとんどの場合は、スペックが高いほど価格が高く、スペックが低くなればその分価格もリーズナブルになります。つまり、PCのスペックと価格は比例関係にあると言えるでしょう。また、処理速度や容量などの各機能性は、それぞれPC内の異なるパーツで管理されています。
それらのパーツの中でも『CPU』『メモリ』『ストレージ』『GPU』は特にスペックに関わってくるパーツと言えるでしょう。
CPUはPCの脳みそ
CPUはCentral Processing Unitの略称で、日本語だと「中央演算処理装置」といい、データの処理や他のパーツの動きを制御する、いわばパソコンの脳みそのようなパーツです。そのため、CPUの性能はPCのスペックの良し悪しに大きく関わってきます。
CPUの性能を測る指標としては『コア数』『スレッド数』『クロック周波数』『キャッシュメモリ』が挙げられます。ではそれらを順に説明していきます。
コア数
コア数とは、CPU内のコア(プロセッサー)という処理をするパーツの個数を表すものです。コアが多いとCPUが行う作業を分担することが可能です。そのため、コア数が高いほど処理速度が向上しハイスペックとなります。
メールのやり取りをしたり文書を作成したりするくらいなら4コア(クアッドコア)ほどあれば十分ですが、動画編集やゲームをストレスなく行いたい場合には8コア(オクタコア)以上のものを選ぶとよいでしょう。
スレッド数
スレッド数とは、コアがこなせる作業の数を表すものです。例えば1コア2スレッドなら、2つの作業をを同時に処理することができます。ただし、あくまでどのくらいの作業数をこなせるかというものなので、1つ1つの作業の処理速度がアップするわけではありません。しかし、スレッド数が増えると1度に多くの仕事をこなすことができるので、並行処理が可能となり、すべての作業が終了するまでの時間は短縮します。
1コア当たり1スレッドでも処理は可能ですが、現在の主流は2コア4スレッドや4コア8スレッドなどのマルチスレッドとなっています。
クロック周波数
コンピューターの世界では、0と1の2つの信号を伝達して情報のやり取りを行っています。そして、処理が混同しないために、1回信号を送った後には1回間をおいて、その後また新しい信号を送ります。この1つの信号を送ってから間をとる工程をクロックという波形で表し、クロック周波数とは、1秒間にこのクロックというものが何回行われたかという指標です。クロック周波数は[Hz(ヘルツ)]という単位で表され、Hzの値が高いほど処理スピードが速いということになります。
1970年代には100KHzほどが主流でしたが、現在では1~2GHzのPCが多く、処理スピードが大幅に向上しました。ただし、クロック周波数をあげると、消費電力が増えて発熱するというデメリットがあるので、近年ではクロック周波数の向上よりもコアを増やすことで処理スピードを上げるということがほとんどです。
キャッシュメモリ
メモリとは、コンピュータ上で扱ったデータを記憶していく貯蔵庫のようなものです。メインとなるメモリはCPUとは別の場所にあるのですが、CPUとメインメモリは少し離れた位置に存在するため、情報を伝達するため少し時間がかかってしまいます。時間がかかると言っても人間の感覚では一瞬ではありますが、使用頻度の高い情報はなるべく早く伝達しなければPC全体の処理速度低下につながってしまいます。そこで、PCにはCPUとメインメモリの間に使用頻度の高い情報を保存しておく小さなメモリがあります。それがキャッシュメモリです。
キャッシュメモリがあることでよく使う情報はすぐに伝達することができるので、PC全体の処理速度がUPします。キャッシュメモリの容量は数十KB~数MBほどととても小さいため、キャッシュメモリの容量で処理速度が大幅に変化するということはほとんどありません。しかし、キャッシュメモリを複数個設置することで、伝達スピードを向上させることができます。
メモリは情報の一時的な保管場所
メモリは別名「主記憶装置」といい、パソコン上で処理する情報を一時的に保存するパーツです。保存というと、ドライブなどの各種ファイルを長期的に記憶しておく部分と間違われがちですが、メモリはあくまで一時的な記憶装置なので、電源を消すとその情報は消えてしまうというのがほとんどです。ただ、この一時的な記憶は次の作業に切り替える際に前の作業の状態を記憶するという大きな役割を持っています。つまり、メモリの容量が増えると作業に使う情報をより多く保持できるので処理スピードが向上し、作業効率がUPします。
メモリの容量は作業効率に直結するので、特に慎重に選んだ方がよいでしょう。Webサイトの閲覧や軽作業程度なら4~8GBあれば十分かと思いますが、ゲームをしたり動画編集をしたりするのであれば、最低でも16GBは必要かと思います。もちろん、4GBや8GBでもそれらの処理は可能ですが、動作が非常に遅くなるためおすすめはできません。
ストレージはデータの長期保存エリア
ストレージは、画像やソフトなどのファイルを保存しておくためのパーツです。メモリと違い、電源を落としてもデータは消えることなく、ストレージ内のデータは半永久的に残り続けます。PC内に組み込まれているストレージは、HDDとSSDに分類されます。
HDD
HDDは「Hard Disk Drive(ハードディスクドライブ)」の略で、PCに内蔵されたディスクにデータを記録するタイプのストレージです。HDDは大容量のものを選んでも比較的安価であるというのが大きなメリットですが、読み込みや書き込み速度が遅い、外部からの衝撃に弱いというデメリットもあります。ともあれ価格の安さということは大きな強みであるため、現在でも多くのPCにHDDが採用されています。
画像やテキスト、文書ファイルや表計算ファイルなどは比較的軽いため、HDD容量は128GBほどあればよいかと思います。一方、MP4やAVIなどの動画ファイルはある程度の容量が必要になるため、動画ファイルをよく保存する場合には256GB以上のものを選ぶとよいでしょう。
SSD
SSDは「Solid State Drive(ソリッドステートドライブ)」の略で、半導体を使ったストレージとなります。SSDの大きな特徴は、HDDよりも軽量で処理が速いという点です。特に処理速度はHDDの約5倍という速さなので、ローディング時間を大幅に削減することが可能です。ただし価格が高価であり、HDDの数倍にもなることもあります。
価格をとるか、性能をとるか、ご自身の目的や用途に合わせて、HDDにするかSSDにするかを選択してみてください。
GPUはデータを視覚的に表すもの
GPU(Graphics Processing Unit)は、データを視覚情報として表示させるためのパーツです。もう少しわかりやすく言うと、画像を表示するための部品と言ったところでしょう。GPUの性能はグラフィックに直結するため、高性能なGPUを搭載したPCは、より早くきれいな映像を表示することができます。
静止画や動画を見るだけなら2GBや4GBのGPUでも問題なく動作しますが、3DCGソフトやPCゲームなどの映像の遷移が多いものを扱う場合には、8GBや10GBのGPUを選ぶことをおすすめします。
足りない要素は外部から補うのも一つの手
PCを自作する場合には、自分好みのパーツを組み立てることができるので、より快適に使えるPCとなると思います。しかし、既製品の場合には「ストレージ容量が足りない」「もっと大きいディスプレイがいい」などの不満が出てくるかもしれません。そんなときには、インターフェースなどを利用するのも一つの手です。例えばストレージの容量は外付けHDDで補ったり、画面解像度はディスプレイスを接続することで補ったりと、外部機器を接続することでもPCのスペックアップを図ることは十分に可能です。もし、現在使っているPCに不満があるのであれば、まずはそのような外部機器で補うことができないかを考えてみてください。多分その方が安上がりですよ。
PCのスペックまとめ
今回はPCのスペックについて簡単にご紹介していきました。スペックと一括りに言っても、処理の種類によって関わってくるパーツが異なるので、PC選びの際には、自分が一体どのような目的でPCを使うのかを考えることが大切です。それができれば、きっと自分に最適なPCと出会うことができると思いますよ。