皆さんはマグマと溶岩の違いを御存じですか?マグマの定義は地下で高温によりドロドロに溶かされている岩石、一方溶岩の定義は、マグマが地表に流れ出たもののことです。なので、私たちがTVなどで見ているものは溶岩ということになりますね。
そういうわけで、今回は燃え滾るマグマ(本当は溶岩)のようなテキストをAfter Effectsで作成していきたいと思います。溶岩マニアの方は必見ですよ!
シンプルな溶岩テキスト
ではまず新規コンポジションを作成し、溶岩化したいテキストを作成してください。このとき、テキストカラーは白に設定しておいてください。
そして、テキストを作り終えたら、白色平面を作成し、テキストレイヤーの下に配置します。そして、平面に『フラクタルノイズ』をかけてください。フラクタルノイズの初期値からの変更点は以下の通りです。
フラクタルの種類:ダイナミック
コントラスト:200.0
明るさ:18.0
展開:time*170
トランスフォーム->スケール:65.0
トランスフォーム->乱気流のオフセット:キーを入れる
展開については、エクスプレッションを編集でtime*170という式を入れてください。また、乱気流のオフセットのアニメーション開始点と終了点にキーを打ってください。キーはy座標を小さくするだけで大丈夫です(例では0:00fをy=540.0、4:00fをy=100.0としています)。
では次は平面に『反転』と『コロラマ』を適用しましょう。反転はエフェクトをかけるだけでOKです。コロラマについては出力サイクル内のプリセットパレットを使用から「火」を選択してください。
これでマグマのベースが完成しました。後は、このマグマをテキストの形にしていきます。
平面レイヤーのトラックマットからテキストを選択してください。これでとりあえず基本的なマグマ文字の完成です。
完成系は以下のような感じになっていると思います。
これだけでも十分なインパクトはありますが、少し文字の輪郭が分かりにくかったり、何よりあまり熱さを感じません。ということで、ここからはこのマグマ文字にさらに加工を加えていこうと思います。
マグマよ、もっと熱くなれ。
ということでここからマグマをもっと熱くしていきたいと思います。では新しくコンポジションを作成し、先ほどのマグマコンポジションを格納しましょう。そして、長方形ツールを使って白い長方形を作ってください。
そうしたら、この長方形に『タービュレントディスプレイス』をかけていきます。タービュレントディスプレイスの設定値は、量を125.0、展開をtime*70(エクスプレッションを編集)、そして、サイズを始点30.0終点50.0としてください。
今度は長方形レイヤーのトランスフォームから位置にキーを打ちます。このとき、文字が徐々に長方形に隠れていくように設定しましょう。
あとは、先ほど格納したマグマのコンポジションのトラックマットに、長方形レイヤーを選択してください。これで、マグマが沸き立つようなエフェクトになったかと思います。たぶん下のような感じで、(実際にはもっと変化がゆっくりかとおもいます)
長方形の縁を滑らかにするために、長方形レイヤーにラフエッジをかけ、線を40.00ほどにしておくと、より流動的になるかと思います。
『Saber』を使って燃え盛る輪郭を
さぁ、今度はメラメラと燃ゆる輪郭を作っていきたいと思います。下準備として『Saber』という無料プラグインをダウンロードしましょう。まずは、Saberダウンロードページにアクセスしてください。
アクセスしたら、ページ下部のボタンからご自身のOSに合ったものをダウンロードしてください。
ダウンロードしたファイルを展開し、インストーラを起動します。インストーラは以下のような手順で操作すれば大丈夫です。
これで、Saberエフェクトのインストールは完了です。ではAfter Effectsの操作に戻りましょう。
では、先ほどのプロジェクト内で新しくコンポジションを作成し、前章で作ったコンポジション(長方形レイヤーのやつ)を格納しましょう。そして、格納したコンポジションを選択し、レイヤータブからオートトレースを作成します。
これで文字の輪郭をかたどったレイヤーができました。ではこのオートトレースに先ほどインストールした『Saber』をかけます。設定は次のようにするのがよいでしょう。
Preset:Fire
Grow Intensity:25.0%
Core Size:5.00
Customize Core->
Start Size:0.00%
Core Type:Layer Mask
Halo Intensity:150%
Halo Size:300%
Distortion->
Core Distortion->
Distortion Amount:10.0
これでメラメラとした輪郭が出来上がりました。何だかこれだけでも十分魅力的ですよね。Saberさんさすがです、
少し輪郭に動きを加えるために、Saber内項目Customize Coreの「Mask Evolution」「End Size」「End Offset」にキーを入れます。キーは以下を参考に設定してみてください。
Mask Evolution:0フレーム / 0x+0.0° – 終了フレーム / 1x+0.0°
End Size:0フレーム / 100% – 60f(開始2秒後) / 100% – 終了フレーム / 0%
End Offset:0フレーム / 100% – 60f(開始2秒後) / 100% – 終了フレーム / 0%
これらのキーを設定することで、輪郭が周回しながら徐々に消えていくようになりました。少し見栄えがUPしたのではないでしょうか。
最後の仕上げとして、オートトレースレイヤーのブレンドモードを「加算」にすれば、燃え滾るマグマテキストの完成です!
後はお好みで変化量を変えてみてください。
まとめ
今回は燃え滾るマグマのようなテキストアニメーションを作っていきました。使いどころは限られるかもしれませんが、なかなかインパクトのあるアニメーションなので、ぜひご活用ください。
今回使ったSaberエフェクトには、他にもいろいろな使い方があるので、また機会があればSaberを使ったアニメーションの制作方法をご紹介したいと思います。それでは今回はこのへんで。