【こんなエフェクトあったっけ?】マイナーなビデオエフェクトをご紹介!

Premier Pro エフェクトのトリセツ

Adobe Premiere Proを使うことで、テロップを入れたり、カットしたり、モザイクを入れたりと、動画像にいろいろな編集を施すことが可能です。特に『ビデオエフェクト』は、動画に視覚的な効果を加えることができるので、動画編集者の方は大変重宝していると思います。しかしビデオエフェクトの中には「あれ?こんなのあったっけ?」と思うような少し影の薄いものも存在します。

本記事では、そんな日陰者たちが日の目を浴びれるよう、マイナーなビデオエフェクトをいくつかご紹介していきたいと思います。

ポスタリゼーション

ポスタリゼーション』は、簡単に言うとグラデーション(色の階層)を大まかにするエフェクトです。このエフェクトを適用することにより、素材となる動画像に油絵のようなアーティスティックな加工が施されます。

このように、夕焼け空などの緩やかなグラデーションがある素材に適用すると、おしゃれ度がUPすると思います。反対に、クジャクの羽やポイフルなどの色彩が複雑なものに適用してしまうと、少しごちゃごちゃした印象を与えてしまいますので、そのような素材に使うのはあまりおすすめできません。

動画の途中に適応してもいいですし、サムネイル用の静止画に適用しても素材の深みが増すかもしれません。頻繁に使うようなものではないですが、意外と使い勝手はいいかもしれませんね。

Noise HLS

Noise HLS』は動画に粒上のノイズ加工を施すエフェクトです。通常のノイズと異なる点としては、Noise HLSは、色相・明度・彩度のノイズを作りだすことができます。

上の写真では、それぞれのノイズを50%かけています。色相ノイズをかけると、少しモノクロになっていることが分かると思います。また、明度ノイズは全体的に色が明るくなり、彩度ノイズはあまり変化が見られません。VHSや8mmフィルムなどのレトロな映像を作成したい場合は、色相や明度のノイズをかけるとよいでしょう。

今回の例では単一成分しかノイズを適用していませんが、もちろん3つの成分を組み合わせることも可能です。なので、もしNoise HLSをお使いになる際は、お好みで色相・明度・彩度を調整してみてください。

Extract

Extract』を適用すると、動画像の色合いが白黒に変化します似ているところで言うとモノクロエフェクトが挙げられますが、モノクロエフェクトよりも階調数が少ないため、版画のような仕上げ理になるのが特徴です。

モノクロはグラデーションを維持しつつ白黒に変化させてより自然な視覚情報を与えるので、使いやすいエフェクトです。一方Extractは、少し不自然な変化である分、一時的なインパクトを与えるのに適しています。

どちらのエフェクトにも長所・短所が存在するので、状況に応じて使い分けていくことが大切となります。

タービュレントディスプレイス

タービュレントディスプレイス』は、素材となる動画像に歪みを与えるエフェクトです。歪みを与えると原型が大きく崩れてしまうため少し扱いが難しいエフェクトではありますが、抽象画を想起させるような強い印象を与えるので、動画内の数秒間だけ適用したりするとよいかもしれません。

上の写真のように、静止画に適用すると少し扱いづらいエフェクトではあります。ただ、歪みの強度を調整できるので、キーフレームを打ち、徐々に歪んでいくような動画にすると面白いかもしれません。少し奇抜なトランジションとしても使えるかも。

Ghosting

Ghosting』は、映像に残像をもたらすようなエフェクトです。そのため、静止画に適用しても効果はありません。

Ghostingの使い方としては、上の例のように、ボールや車などの軌道の残像を見せるような演出が1つの例として挙げられます。Ghostingには項目値などが設定されていないので、ただエフェクトをかけるだけでこのような仕上がりになります。ただその反面、残像の速度や不透明度などを操作できないというデメリットもあるので、なかなか実用化が難しいエフェクトでもあります。

私は今後Ghostingを使うことはないかもしれませんが、この記事を読んでいるあなたはぜひGhostingを使ってあげてください。そうしたらきっとGhostingも喜びます。

Vertical Hold

Vertical Hold』は、対象となるオブジェクトを上方向にスライドさせるエフェクトです。スライドには連続性があるので、映写機で映し出したような仕上がりとなります。

Vertical Holdの難点としては、スライド量や速度の調整ができないことです。そのため、Vertical Holdを適用しただけでは不自然な仕上がりになってしまいます。

Vertical Holdを使いこなすためには、動画の速度を調整したり、他のエフェクトをかけたりなど、少し手を加える必要がありそうです。

輪郭検出

輪郭検出』は動画像に映るオブジェクトの大まかな輪郭を太めの線で表示するエフェクトです。太めの輪郭が少し不自然に浮き上がるので、サイバー的な演出をするのに役立つかもしれません。

上の例では静止画に輪郭検出をかけていますが、もちろん動画に対してもしっかりと機能します。また、白黒の反転や元画像とのブレンドも操作できるので、使い方次第ではかなりおしゃれなものとなるでしょう。

まとめ

今回はAdobe Premiere Proのマイナーなビデオエフェクトを紹介していきました。見てわかる通り、どれも多用するようなものではないため、影が薄いのにも納得かと思います。しかし、ポイントで使っていけば、動画にインパクトを与える効果の高いエフェクトが多いので、これを機に動画制作の際にはぜひ今回紹介したエフェクトを取り入れていってください。