近未来的なホログラム風演出

Premier Pro エフェクトのトリセツ

スター・ウォーズシリーズなど、数々のSF映画で用いられている『ホログラム』の演出。この演出があると、動画の近未来的な情景をより一層深めることができます。ただし、いざ自分でホログラム演出を作ろうとすると、なかなか大変なのではないかと思うかもしれません。しかし実は、簡易的なものであればPremiere Proだけで作ることができるんです。今回はそんなホログラムのような演出をPremiere Proを用いてどのように再現するのかをご説明していきます。

ホログラム風演出の作り方

ではここからホログラム風演出の作り方を説明していきます。

①ホログラム風にしたい動画像に『波形ワープ』を適用する。

②では続いて波形ワープ各項目の初期値を設定していきます。各項目の設定値は以下の通りです。

 波形の種類:サイン
 波紋の高さ:5
 波形の幅:50
 方向:0°

この時、「波形の幅」にはキーフレームを打ち込んでください。これで初期値設定は完了です。

③お次は先ほど初期値の設定を行ったフレームから10フレームほど進み、波形の幅の値に5と入力します。

これで、ホログラムがブゥーンと表れるような映像となります。ではお次は色合いを調整していきましょう。

④今度は先ほど波形ワープを適用させた動画像に、『カラーバランス』というエフェクトを適用させましょう。

⑤カラーバランスを適用させたら、各項目を以下のように設定します。

 シャドウ青バランス:100
 ミッドトーン青バランス:50
 ハイライト青バランス:50

これで、ホログラムのブルーライト感を演出することができました。

⑥お次は動画像を青白く発光させるために、エフェクトから『アルファグロー』を適用します。

⑦アルファグロー内の「グロー」を50に、「開始色」を水色に設定します。

⑧アルファグローの調整を終えたら『ノイズ』というエフェクトを適用させます。エフェクトの追加は、このノイズで最後になります。

⑨ノイズを適用したら、項目内の「ノイズ量」を30%に設定します。

基本的な部分はこれで完了です。あとは波形の幅や高さにランダム性を付けたり、不透明度を少し落としてあげたりすれば、よりリアルになると思います。

テロップの場合は枠を付けるとGOOD!

動画像素材の場合は単体でホログラムのようにしても十分に近未来的な演出となりますが、テロップ(文字)の場合は枠を付けてあげるとより一層雰囲気が出てきます。

今回は以下のようなサンプル素材を作成しましたので、この素材を使って文字に枠を付けていきます。
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ではご説明をしていきます。記事前半でお話しした内容については多少省略させていただきますことをご了承ください。

①上で配布したサンプル素材をレイヤーにドラックしたら、『不透明度』から、描画モードを「スクリーン」に変更してください。

②お次はサンプル素材に合うように長方形ツールで枠を作りましょう。色合いは、内部は青、外枠はグレーがいいかと思います。

③長方形ツールで作った枠に波形ワープを適用しましょう。設定値は以下のようにしています。

 波形の種類:サイン
 波紋の高さ:3
 波形の幅:2
 方向:0°

高さや幅はお好みで微調整してください。

③ではお次、波形ワープを施した枠とサンプル動画素材を『ネスト』しましょう。ネストとはいくつかのクリップを一つにまとめることです。これにより、複数クリップへの同じ処理を一括で行うことができます。

④ネストをしたクリップの不透明度を70~80に変更しましょう。

⑤ではネストしたクリップの上にホログラム化したい文字を入れます。SFチックなフォントを使うとなお良いと思います。

⑦今度はネストしたクリップ、文字のクリップのそれぞれに『アルファグロー』を適用しましょう。アルファグローの色合いは、ネストした方は薄い青、文字は白がいいと思います。

⑧ネストしたクリップと文字のクリップをさらにネストし、エフェクトからノイズを適用します。「ノイズ量」は30に設定しましょう。

⑨ノイズを設定し終えたら、『コーナーピン』というエフェクトを適用し、クリップが台形になるように、右上、右下の座標を調整しましょう。

⑩最後にクリップの大きさを調整したら完成です。完成系は以下のようになります。

ネスト前に文字のクリップにも波形ワープを適用するなど工夫すれば、さらに良くなると思います。

まとめ

今回はホログラム風演出の作り方をご紹介いたしました。動画に近未来感を与えたい場合は、ぜひ参考にしてみてください。また、Premiere ProとおなじAdobe製品であるAfter Effectsを使えば、よりリアルなホログラムに仕上げることができるので、もしご興味あれば調べてみてください。もしご要望が多ければ本サイトでもAfter Effectsでホログラムを作る方法をご紹介するかもしれません。