画面に表示したテロップを消すとき、ただ単にブツ切りにするのは味気ない気がしませんか。特に、動画冒頭にタイトルロゴを出す場合などは、その出し方や消し方で、動画の見え方が何倍にも変わってくると思います。そこで今回は、テキストや画像を煙のように消す方法をご紹介します。動画により重厚感を持たせたいという方はぜひ参考にしてみてください。ちなみに、完成イメージは以下のような感じです。
オブジェクトを煙のように消す方法
まずはエフェクトを適用したいテキストや画像を作成し、プリコンポーズしましょう。
次に、メニューバーの『レイヤー』から『新規』→『平面』の順に選択し、新規平面を追加しましょう。追加画面はただOKを押下するだけで大丈夫です。
追加した平面に『フラクタルノイズ』エフェクトを適用しましょう。
ここからフラクタルノイズの項目値をいじっていきたいのですが、このエフェクトがどんな効果を与えるのかを可視化するために、今度は最初にプリコンポーズしたテキストに『CC Image Wipe』というエフェクトを適用させます。
CC Image Wipe項目内の『Gradient』→『Layer』の設定を変更します。左側のプルダウンリストで先ほど追加した平面を、右側でエフェクトとマスクを選択しましょう。
ここまで設定したら、平面のレイヤーを非表示にして、テキストのCC Image Wipeの『Completion』の値を操作してみましょう。操作してみると、テキストが幾何学的に変化しているのが見て取れると思います。これが煙エフェクトのベースとなります。
では、平面のフラクタルノイズの各項目の設定に移ります。ノイズの種類をスプライン、複雑度を3.0に変更しましょう。
続いて、トランスフォーム内の『縦横比を固定』のチェックを外し、スケールの幅を40.0、スケールの高さを140に変更しましょう。
フラクタルノイズの値を設定し終えたら、今度はテキストの設定です。先ほどテキストに適用したCC Image Wipeの『Completion』に、始点(消え始めるフレーム)を0.0%、終点(完全に消えるフレーム)を100.0%としてキーを打ちます。そして、Border Softnessを4に変更しましょう。
CC Image Wipeの設定が終わったら、今度はテキストレイヤーに『エコー』というエフェクトを適用します。そして、エコーの各項目を以下のように設定しましょう。
エコーの数:3
減衰:0.50
エコー演算子:後ろに合成
ここまで出来たら、平面レイヤーとテキストレイヤーを複製し、平面とテキストが交互になるように配置しましょう。この時、テキストレイヤーのCC Image Wipe->Gradient->Layerは一つ上の平面レイヤーを参照するように設定変更しましょう。(おそらくレイヤー2のテキストがレイヤー3を参照するようになってしまっていますので、)
レイヤー2のテキストを10~15フレームほど後ろにずらし、不透明度を30%にします。
レイヤー2の調整が終わったら、レイヤー1の平面の調整も行います。フラクタルノイズの展開を300°に変更しましょう。
ここまで終えたら、すべてのソースを選択しプリコンポーズします。
お次は調整レイヤーを追加し、不透明度を65%に設定しましょう。調整レイヤーは、レイヤー→新規→調整レイヤーで追加できます。
追加した調整レイヤーに『タービュレントディスプレイス』を適用しましょう。そして、タービュレントディスプレイスのサイズを25.0、複雑度を3.0に変更します。
お次は、タービュレントディスプレイス内の量という項目にキーを設定します。始点(開始後20フレームほど)を0、終点(始点からさらに20フレームほど後)を100としてキーを打ってください。
量の設定が終わったら、調整レイヤーを複製し、片方の展開の値を変更しましょう。
今度は、もう一つ新たな調整レイヤーを追加し、『CC Scale Wipe』を適用します。
CC Scale Wipeを追加したら、項目値Stretchを0.50、Directionを0.0°に変更しましょう。
今度はCenterにキーを設定します。始点はy座標が中央より上に、終点は中央より下になるようにキーを打ちこみましょう。
その後、不透明度を75%に変更します。
これで煙のように消えるエフェクトは完成です。後は好みに合わせて、各項目値を微調整してみてください。
オブジェクトを置き換える方法
先ほど、煙のようにオブジェクトを消すための方法をご紹介しました。「かっこいい」「カッコイイ」「格好いい」など、人によって色んな意見があるとは思いますが、多くの方は「毎回これを作るのは面倒くさいな」と考えたのではないでしょうか。もし、煙のエフェクトはそのままに、対象オブジェクトだけ置き換えられたら、とても楽ちんだとは思いませんか。実は、簡単に素材だけを置き換えられる方法があるんです。ということでその方法もご紹介していきたいと思います。
例として、先ほど使ったテキストと以下の写真を置き換えてみます。
では、先ほど作成したプロジェクトを開き、置き換えたい画像をプロジェクトパネルに追加しましょう。
素材の追加が完了したら、素材と置き換えたいオブジェクト(TEXT)を全部選択したあと、素材を『altキー』を押下しながらタイムライン上にドロップしましょう。
これで素材の置き換えが完了です。この状態で書き出した動画を書き出すと以下のようになります。
テキストに適用したエフェクトもしっかりと引き継いでいるのが見て取れますね。
もちろん、今回の例だけではなく、どのようなプロジェクトに対してもこの手法は使えるので、編集時間を短縮したいという方はぜひご活用ください!
まとめ
今回は、文字や画像が煙のように消えていくエフェクトの作り方をご紹介いたしました。少し作るのに手間はかかりますが、一度作ってしまえば様々なオブジェクトに使いまわしができるので、ぜひ作ってみてはいかがでしょうか。